孫が介護する時・・・最後の祖母孝行

私は、幼少期に母親が死ぬか生きるかの状態で、ずっと祖母の家で生活していた。
とてもお世話になり大好きな祖母…
そんな祖母に何かしてあげたい、自分が後悔したくない…という思いで引き受けた祖母の介護でした…。
(これからの時代は、孫が介護することも増えていくんじゃないかな)

が、何もしない外野がうるさい…。
外野とは、祖母の子供たち。
私にとっては、おじさん、おばさん。

そんな外野にも負けず笑顔で介護を乗り切った私と祖母のお話。

子がやらないなら、私がやる!!!

叔父夫婦と住んでいた祖母が、突然施設に入っていた。
私は祖母の入所した施設へ面会に行った。
マンション型の重い鉄のドアを開けたら、ポツンと独りベッドに座りながら泣いている祖母の姿が…。

私は、「おばあちゃん、元気?遊びに来たよ。」と伝えた。
祖母は私の手を握り、「よく来たね。お前をずっと待っていたよ。」と言い、うれし泣きか悔し泣きか、笑っているのか泣いているのか分からなくなるくらい顔がくしゃくしゃになっているのを覚えています。

そして、時が流れある時面会に行った際、施設長に声をかけられた…。
「あの…、叔父と連絡がもう2年も取れていなくて、実はお金も頂いていないのです。」

叔父は自分の母親を捨てたのだと察しました。
親戚一同に連絡しましたが、皆逃げる、誰が介護するかで揉める…。
見ていて、もう開いた口が塞がらない状態でした。

悲しくて辛くて苛立たしくて・・・
気づいたら、「もういいです。あなた達がやらないのなら、私が面倒みるから!!!」と言い放ってました。

ほっとした、顔して、「じゃあ、お願いするわね。」と親戚一同…。
こうして、孫である私の介護が始まりました。

施設のお引越し

仕事をしながらの介護は正直本当きつかった。
会社に嫌味は言われるし、口だけ親族…。

それでも、やっぱり決めたからには「ちゃんとした施設に入れたい。」

看取りまで見てもらえて、働いている人達の対応が良いところの条件を探してもなかなか見つからない…。
そして、運よく見つけた、ケアマネさんに事情を話したら、なんとバリバリの仕事が出来る方で、すぐ動いて頂き、いろいろ提案をしてくださいました。

施設も決まり、在宅医療・訪問看護・ディサービス・看取りOK!!で至れり尽くせりの状態で、お引越し。
体調も回復し、元気な姿で笑顔の祖母をみて、精神的にもきついときもあるけれど、引っ越しを決めて良かったと心から思えました。

いよいよターミナルケア

その後、祖母の介護から気が付いたら7年も時は過ぎていた。
介護といっても、キーパーソンとして施設に顔を出したりしただけと言われるかもだけど、意外とそれも負担なんです。

そして、いよいよ最後の看取り。

毎日施設に入り浸り、仕事もやめ、祖母に付き添っていた。

祖母は、4月のまだ肌寒い季節に、「ここに、住めて良かった。ありがとう。」と施設長にお話しをしていた。

そして私にも「もう疲れたから、風になって自由に飛び回りたい。」そう私に告げた。
まるで、もう自分が永くない事を言っているようにさえ感じた。

急いで、親族に連絡をとり、「まだ祖母が話せるうちに会いに来てほしい。」と何度も連絡した。
親族の答えは口を開けば、「忙しいから、お金がないから。」と断り続けられた。

でも、諦めず「後悔しないならいいよ?私は困らない。でも、後で、やっぱり会いたかった。とか言われても、もう無理なのよ!!!あなた方は、子供でしょ!?私は孫なの!!!最期の時くらい声かけてよ!!!」と強い口調で話したのを今でも、はっきり覚えている。
渋々ではあったが、駆け付けた親族、なんで泣いているのかは、しらないが「おかあさん!!!!」と叫び、大声でワンワン泣いていた…。

その状況を、冷めた目で見ていた自分がおりました。
それから祖母は、天に上った。
今にも起きそうなくらい綺麗な顔でした。

まとめ

長く書いていますが、シンプルに話すと。
1看取る覚悟を決める。
2助けてもらう所は、プロに任せる。分からないこともプロに聞く。
3自分にとっても、介護される側にとっても、良い環境の施設探しをする。
4親戚はあてにしない。何を言っても無駄なのですから。
5最期の時には必ず、連絡を親戚にすること、トラブルにならないために。
6孫が親孝行ならぬ、祖父母孝行だと、心の隅に置いておくことで乗り切れることもある。

介護は長いですし、負担も大きい、孫ともなると、厳しい問題にぶつかることも多々あります。
嫌な時も、あります。人ですから…。

そういう時は、プロにお任せする事をおすすめいたします。
私も知らない!!と言って、祖母と喧嘩もしましたから。
良い事ばかりじゃないですが、今となってみれば、いい思い出です。

私の経験が少しでも、誰かのお役にたてたら幸いです。