子供の発達障害を受け入れられない夫が受け止めたきっかけは?

私と夫で「そろそろ、二人目が欲しいね」と、どこにでもあるような他愛もない会話をしていたやさきの事。

「あれ?妊娠しているかも??」と感じ、婦人科へ行ったところ、

主治医から「おめでとうございます!!!今3ケ月ですよ。」と、笑顔で伝えられ、ウキウキで夫へ連絡しました。

夫も大喜びでした。
「安定期に入ったとしても、油断は禁物だから」と、つわりがひどい時も、文句ひとつ言わずに、上の子供の面倒を見てくれました。

突然8ヶ月で、おなかも痛くなり、夫に連絡したらすぐに帰宅。
そのまま病院へ直行したら「緊急手術します。」と医師に告げられ、私はそのままオペ室へ…。

夫はただ「祈る」しかなかったそうです。
母体も生まれてくる我が子も危ない状況だったので、無事に助かった私は、保育器に入り、たくさんの管で繋がれていたわが子を見て、涙があふれ出てきました。
ケース越しに「頑張れ」と何度も言ったことを思い出します。

ところが、病室でも様子が変だった夫…。
その後、子どもの様子を見に行こうとしない夫…。
そうなのです。
「夫は、我が子の障害から逃げてしまったのです。」
そんな夫が、我が子に向き合うために頑張ったお話です。

夫が急に残業だらけ!?

我が子の命が危なくなっても、「ごめん。残業になったから。」
この言葉で何度も何度も私は泣きました。
「悔し泣き・怒り泣き」ですが…。

「別れよう」とも思いましたが、少し夫をほっといてみました。
私の心模様ははっきり言って、「浮気亭主を泳がせている。」みたいな感覚でした。

我が子は普通にとまでは、いきませんが、たくさんの手に触れ、今もすくすく育っています。
3歳以上の事は、出来ませんが我が子は頑張っています。

上の子も、お手伝いをしてくれています。
本当に上の子は頑張ってくれています。

「夫よ……。我が子が生まれて3年がたちました。そろそろ覚悟はできたかい?」

そんな事を思っていたらなんと!!!
「残業夫が、早く帰ってきた…!!!」
家族起きているのに!?

ざわつく心を抑えながら、
「今日は、早いのね?」と聞いてみました。
上の子は「おとうさん、なんで家にいるの?」
上の子の言葉にある意味吹きそうになりましたが「そりゃそうだよね…。」と独りで納得…。
フォローも入れず…。

夫が「うん。今日から早く帰れるようになった。だから残業もないから。ごめんな。」

私は、分からないから、問い詰めようと思いましがた、相手から話してくるまで、またじっと我慢の子…。
さっさと聞けば済むのでしょうが、「きっと話してくれるだろう」と真面目に待っておりました。

夫が胸の内を打ち明けた時がスタートライン!?

ついに夫の口が開きました!!!
夫は、我が子の姿をみて「受け止められず」逃げてしまったことを自白しました。
何度も、手術をしている我が子を見ては、現実を受け入れられず、どう接していいかも分からなかったそうです。

そもそも何故、あれだけ体調を気にかけ、滋養になるものを食べていたのに…
「どうして、なぜ、うちの子が…。」
との気持ちが溢れては、どうしようもなかったそうです。

それでも「3年は長いよ?」と聞いたら、勉強していたそうです…。
「育児書・専門家・医師」至る所で勉強…。また自分の心の汚さと戦っていたそうです。

逃げてしまった現実を考えると、親として、夫としてどうしたらいいのか分からずこの日まで来てしまったと…。
聞いてあきれるような、夫ですが、話しているときの夫の姿が、私には「小さく」見えてしまいました。

「あなたを変えたきっかけはなに?」と尋ねたら、我が子の「笑顔」だったそうです。

夫が、病院で私に隠れて我が子を見に来たとき
「育児書にも専門家にも医師にも答えがなかったものが、目の前にあったと気が付いたそうです。」

これを聞いたとき、残業ばかりの夫と喧嘩をしていた私も、夫に裏切られた感じがして悔し泣きをした日も、我が子を見て泣いた日も、自分を責めた日もありましたが、一気に解放された気がしました。

「おかえりなさい。スタートラインに立ったお父さん。これから宜しくお願いしますね。」
と、二人一緒になんで泣いているか、分からないくらい、「ありがとう」と「ごめんね」を何度も繰り返していました。

まとめ

長々と我が家の夫の変化を書きましたが、シンプルにまとめると…。

1夫は役に立たない。
2逃げる夫を追いかけないこと。
3男は出産の重大さを知らない。
4夫婦にはいろんな形がありますから、我慢しなくてもいいということ。
5発達障害は特別じゃないということ。
6期待をしないで夫を待つということ。
7夫がスタートラインに立ったら見守るだけでいい。

我が家はこの意識で、スタートラインに立った夫を、細く長く見て守っております。
今でも、発達障害の面で問題があると、本を開いたり、私に聞いて来たりとまだまだ勉強中ですが、自然と笑顔が多くなった我が家…。
もっと早く夫婦でしっかり話しておけばよかったと強く思います。

この経験が少しでも誰かのお役に立てたら幸いです。