幼児にテレビを見せすぎる事に注意!発達への影響と対処法とは?

子どもはテレビを見るのが好きですよね。
親が電話や家事でどうしても手が離せない時にテレビをつけると、おとなしくなってその間に用を足すことができます。

私の娘も子供向け番組やアニメを、毎日1~2時間、時にはそれ以上見ていることがありました。
踊ったり、キャラクターで遊んだりしていたので本人も楽しんでいるのだと思っていましたが、ある時ふと、テレビの視聴と発達について気になり調べ始めました。

そして、今、我が家は思い切って、テレビを一日中全く見ずに暮らしています。
私が実感した幼児にテレビを見せすぎる事への脳や発達への影響と、対処方法をご紹介していきます!

テレビを見せすぎると脳への影響は?

発達途中にある子どもの脳に、視覚的にも聴覚的にも刺激的なテレビはどんな影響を及ぼすのでしょうか?

まず、幼児期の理解や認識は、繰り返し行うことで定着していきます。
同じ絵本を何度も繰り返して読んでほしいとせがまれることはありませんか?
大人にとって絵本とはストーリーを楽しむものですが、幼児にとっては一ページ一ページが独立した物語であり、各ページごとに意識を集中することから始まります。

何度も繰り返して読むのは、初めのページを忘れてしまったり、場面の転換を楽しんでいるからです。
そして何度も読み聞かせをしてもらうことで、その絵がさしているものの名前や意味に気付き、認識できるようになっていくんです。

でも、テレビの視聴は違います。
テレビからの情報はシャワーのように視覚と聴覚から一方通行で流入していきます。

その間、子どもの想像や感性が促される隙はなく、テレビを見ている間は脳の中の思考力や想像力をつかさどる部分を休ませてしまうことになります。
それは、前頭葉にあるワーキングメモリ(作業記憶)と呼ばれる領域も休ませてしまうことにもなります。

ワーキングメモリとは、「物事を考えるときに使う短期的な記憶」です。
大雑把な例えですが、暗算で「50+30」をするときに、答えは「80」と出ますよね。
「80」という結果が出ると、もう50と30は必要ありません。
この50と30の記憶がワーキングメモリです。

これは暗算だけではなく、読書、会話など、日常生活のあらゆる場面で働いています。
また前頭葉といえば、脳の司令塔と言われている部分で他者理解力、共感力や、ルールを守る社会性などをつかさどる働きがあります。
この前頭葉の発達が、テレビの視聴によって鈍くなると言われています。

また、幼児期の子供は周囲の環境から色々なことを学びます。
「おもちゃは手を放すと下に落ちる」「大きい器から小さい器に入れるとあふれる」「雪はさわると冷たい」などなど、五感を刺激しながら体験を通して物事のあり方を学んでいきます。

テレビはその助けとなりますが、あくまで「本物」ではなくて「本物についての情報」を教えてくれるものです。
0歳児でも想像力があれば、トマトの映像を見てトマトを想像できるのですが、本物に触れて知ることの方がより確かな学びとなっていくんです。

テレビを見せすぎると行動にも影響がある

テレビを見せすぎることで、いくつか懸念されている行動への影響をご紹介していきます。

集中力の低下

新しいことに興味を示しても、すぐに次のことに気が移ってしまい、一つのことにじっくりと取り組むことが苦手になります。

想像力の低下

想像力が追い付かずに「できない」というよりも「やり方がわからない」で困惑する、ということもあります。
子どもにとって、想像力がないというのは辛いことです。
おもちゃがあっても遊び方がわからず、周りの子が楽しそうに遊んでいるのを見ても何が楽しいのかわからず、不安になったりもします。

感情の起伏が激しい、自分の感情をコントロールできない

テレビは気に入らなければチャンネルを変えることもできますが、人間相手だとそうはいきません。
上手くいかない現実にいらだちを感じ、自分の知らない変化に不安を感じて「かんしゃく」となってあらわれてしまいます。

言葉の遅れ

テレビの視聴が直接言葉の遅れにつながるという研究結果はありません。
注意したいのはテレビを見ることによって「親子の会話が減る」ことです。
会話が減ることによって、言葉の発達に影響があると言われています。

その他にも…
・他人に対し、一方的に関わりをもつ
・受け身になる
などが言われています。

テレビを見る影響を抑えるには

テレビを見ることによる影響を書きましたが、テレビを全く見ない生活を永遠に続けることはできませんよね。
入園や入学をすると、友達との話題についていけなくなって寂しい思いをするかもしれません。

では、テレビを見る事での影響を軽減するにはどんな方法があるのでしょうか?
いくつかご紹介していきます。

①時間を決める

テレビの視聴時間を決めて、そのルールを守るようにする。
つけっぱなしにすることも情報のシャワーを浴びていることになるので、終わったら必ず消して下さいね。

②親も一緒に見て話しかける

子どもが見ているテレビ内容を親も一緒に把握して、「今の面白いね!」とか「悲しくなっちゃったんだね」などの感想を言葉にしていくことがポイントです。

③テレビを見た後は脳を働かせる

読書や読み聞かせをすると、テレビを見ていた間に休んでいた脳機能(想像力・思考力・ワーキングメモリ)を働かせることが出来ます。
また、積み木やブロック、お絵かきなど想像力を使う遊びもおススメです。

④体を使って遊ぶ

運動は前頭葉の活性化と関係が深いのです。
外出できない時でも、体操やちょっとした手遊びなどを取り入れて体を動かす工夫をしていきましょう。

まとめ

テレビを見せすぎることの影響をいろいろ書いてきましたが、まとめると…

1.脳への影響がある
2.行動への影響がある
3.心配な影響を軽減するための対処法がある

実際に我が家でノン・テレビを実践すると、娘は最初の一日だけ「テレビ~」と言ってぐずりましたが、それ以降は全くテレビに興味を示さなくなりました。
私は娘はテレビが大好きだと思い込んでいたのですが、実際は、楽しいことの選択肢の一つにすぎなかったのです。
テレビを見ないと必然的に絵本を読んだり、パズルやブロックをする時間がものすごく増えました。
また、時間がもたないので1日2回以上は買い物や公園遊びで外に連れて行くようになりました。

親としては結構大変ですが、娘には確かにいい影響があるように思うのも事実です。
何より私自身が、子どもの反応をじっくりと見る癖のようなものができて、余裕ができたように感じています。

子どもは今日の一日で楽しかったことや悲しかったこと、沢山経験してきたはず。
テレビと上手に付き合いながら、幼児期の子どもを守り、育んでいけたらいいですね。