親の介護、兄弟姉妹間で相談できていますか？

あなたは今、親の介護をしていますか？
それは1人？夫婦で？兄弟姉妹で？それぞれあると思います。
まだ、してないけど不安だと感じている人もいるはず。
今回は兄弟姉妹で親の介護をしている方、するかもしれない方に向けて、少しでも参考になる内容にしたいと考えています。

私は介護施設の相談員として、多くの介護家族の悩みを聞いてきました。
そんな悩みをもとに、兄弟姉妹で親の介護するときに大切なことを紹介します。

兄弟姉妹で介護について話したことはありますか？

兄弟姉妹とはいえ、本音で話し合う機会は大人になるにつれ減っていくもの。
お正月やお盆といったタイミングでしか会えない兄弟姉妹も多いはず。

親の介護が必要になったとき、あなたの兄弟姉妹で協力していく自身はありますか？
うちは良く連絡取り合っているから大丈夫。長男、長女に決めてもらうなど色んな考えがあると思います。

でも…いざ介護が始まると、兄弟姉妹の関係が上手くいかないことが多いのが現状です。
介護をすることになる前に、兄弟姉妹で介護について話せる場合は、話し合う機会をつくりましょう！

具体的には親への思い、それぞれの価値観、同居の可能性、お金についてです。
介護に対する価値観が違うのは当たり前です。お互いの思いを伝え合い、理解するようにしましょう。

将来親の介護が必要になったとき、同居の可能性は考えられますか？

介護保険を利用し、介護サービスを受けることができます。
例えばホームヘルパーに来てもらったり、デイサービスを利用したり…
介護度によって利用できる限度は決まっています。

他にもケアハウス、サービス付き高齢者住宅などの選択もあるでしょう。

将来的には在宅介護をするか施設入所を希望するか。
親が話せる場合は希望を聞くのもよし、兄弟姉妹の思いも話し合いましょう。

中には介護サービスを利用せず、家族が全て介護をする人もいるでしょう。

私は家族だけで背追い込まず、介護サービスを利用することをオススメします。
なぜならケアマネジャーがつくことで、アドバイスを受けたり、相談が出来るからです。

またケアプランに既往歴や介護状態が細かく記録されることで、介護認定が定期的に行われ家族の介護負担が減らせたり、目標をもった生活を送ることができるからです。

最も兄弟姉妹の関係が上手くいかなくなる原因が、お金絡みです。

介護は介護保険内であれば介護サービスの負担額は無いですが、オーバーしてしまうと全額負担する必要があります。
年金内で賄えればいいですが…場合によっては足りず、プラスで支払う必要がある方もおられます。

逆に年金、貯金額が多く、親のお金をどう使うか悩む場合も。
※親の必要な出費に使うもので、本人の意思に反して使用すると高齢者虐待防止法の経済的虐待となります。

あとは相続時にどうするか。

兄弟姉妹で協力できれば良いですが、どこかに不満があると、兄弟姉妹の関係が悪くなる危険性があります。
なので話しにくい話題ではありますが、お金に関してオープンに話し合う必要があります。
親から聞いた金銭状況を把握し、情報交換し、今後の方針を決めましょう。

私が介護施設の相談員をしていた時の話です。

兄弟で親の介護をしている家族がおられました。
元々は長男と同居していましたが、介護度が高くなり施設への入所を希望されました。
長男の介護負担は軽減され、施設へも定期的に面会に来られます。
次男も長男宅、施設へも定期的に面会に来られ協力的でした。

しかし持病の悪化で病院へ入院した時、兄弟の意見が分かれたのです。
長男は同居していたとき親から延命治療は希望しないと聞いており、親の意見を尊重したい。
次男は胃瘻は希望しないが、できることをしたい。
と口論になりました。

あんなに仲の良さそうな兄弟だったのに、選択に迫られたとき兄弟の関係が悪くなってしまうのを、目の当たりにしました。

この兄弟は、親への思い、それぞれの価値観について話してはおらず、お互いが遠慮しながら介護をしてきていたのです。
それぞれが相手に不満を抱えながら、必要な選択の場面で思いが爆発してしまったのです。

1.兄弟姉妹で介護について話し合いましょう。
2.親への思いを話しお互いの考えていることを伝えましょう。
3.それぞれ価値観があることを理解しましょう。
4.同居の可能性、今後の生活の場を想像してみましょう。
5.お金の金銭状況を把握し、情報交換をし、今後の方針を決めましょう。

兄弟姉妹協力することで、とても心強く頼りになる存在だと思います。
大切な親のために、兄弟姉妹で揉めず、後悔のない選択をしたいものです。
必要な選択に迫られる場面は、いつ起こるかは予想もつきません。
お互いの思いを理解し合うことが、最も兄弟姉妹で介護していく為に大切な事だと思います。