暑中見舞いを出すのはいつからいつまで?届けたい気遣いの心とは

夏の挨拶状といえば「暑中見舞い」。
友人やお世話になっている人などへ、健康を思いやる気持ちを伝えたり近況を報告するために送るものです。
年賀状ほど一般的ではないからこそ、涼しげな絵や色彩の暑中見舞いを受け取ると嬉しくなるのではないでしょうか。

私自身は、学生時代に夏休みの挨拶と近況報告をかねて、友達や先生に出していた記憶があります。
最近では、企業やショップなどからセールや休業期間のお知らせで届くこともありますし、警察や消防局と企業のコラボで熱中症予防を訴えてくる内容も見かけるようになりました。
また、子供の通う幼稚園から頂いて、先生にお返事を書く…などということもあるかもしれません。

ところで、暑中見舞いを書く時に、いつ出したらよいのか迷ってしまうことはありませんか?
実は暑中見舞いを出す時期には諸説あって、せっかく出しても、あまりに時期を外してしまっては意味をなさないのです。

そこで、暑中見舞いを出す時期は「いつから」「いつまで」か、また、暑中見舞いに添えたい心遣いをご紹介していきます!

暑中見舞いを出す時期は「いつから」?


暑中見舞いを出す時期は3つの説があります。

①小暑(7月7日頃) ~立秋(8月7日頃)の前日まで
②梅雨明け ~立秋(8月7日頃)の前日まで
③夏の土用(立秋前の18日間:7月20日頃)~立秋(8月7日頃)の前日まで

「いつから」出すのかという時期に違いがありますよね。
これは、暑中見舞いの「暑中」の定義や解釈の違いによるものです。

暦の上では立夏(5月5日頃)から立秋の前日までが夏とされており、なかでも最も暑さが厳しいとされているのが、夏の土用の約18日間です。
この期間を「暑中」と言うのですが、実際にはこの18日間の前後も厳しい暑さが続きます。
「暑中」を厳しい暑さが続く時ととらえると、その幅が広くなってくる、というわけですね。

つまり、暑中見舞いを出す時期は厳密に決まっているわけではなく、小暑(7月7日頃)を過ぎていれば多少早くついても失礼にはあたりません。

もちろん、暑中見舞いは、本来夏の暑い盛りに送る安否確認の挨拶状なので、相手の住んでいる地域のもっとも暑い時期に出すのが一番良いのです。
でも、日本列島の北から南まではどうしても時期にずれが生じますよね。
5月に30℃以上になることも、例年多くなっている気がします。

迷った時には、目安として相手の住んでいる地域の梅雨明け以降に届くようにするといいでしょう。
ちなみに、私が今までいただいた暑中見舞いの実感としては7月下旬ごろに届くものが一番多いように思います。

暑中見舞いを出す時期は「いつまで」?

「いつまでに出すか」という部分では「立秋(8月7日頃)の前日まで」ということで共通しています。
これは、暦の上では「立秋」が秋のはじまりだからです。

この立秋以降の暑さを「残暑」と言って夏の終わりを意味し、熱さがようやく和らいでくる時期とされています。
注意したいのが、暑中見舞いが相手に届くのは「立秋(8月7日頃)の前日まで」なので、そのためには少なくとも、立秋の数日前にはポストに投函しないと間に合わないですよね。
暑中見舞いが届くのが立秋を過ぎてからでは意味をなさなくなってしまうので気を付けましょうね。

もしも暑中見舞いを出す時期を逃してしまったら、「残暑見舞い」に切り替えましょう。
「残暑」とは文字通り暑さがまだまだ残っているという意味。
残暑見舞いには「いつまで」という決まりはありませんが、9月になるとさすがに遅いという印象になるので、8月末までに届くように出すのが無難です。

いずれにしろ、挨拶状を頂いたら返答をすることになります。
あまりにギリギリだと相手が返答するのに余計な負担がかかってしまいますので、「暑いですね」「そうですね」と返答しやすい時期となるように、心がけていきましょう。

暑中見舞いで気を付けたいこと

夏らしくさわやかな絵柄で季節感にもこだわりたい暑中見舞いですが、あくまでも「厳しい暑さから相手を心配してお見舞いする」ものだということは忘れずに。
そのためには、「お体お大事に」や「ご自愛下さい」などの一言は欠かせません。

また、お相手が喪中の時に暑中見舞いを送っていいのか迷う場合もあるかもしれませんよね(年賀状は控えることが知られています)。
この場合は、ご挨拶である暑中見舞いのやりとりは構わないとされています。

ただし、不幸があって間もない場合は四十九日を避けて残暑見舞いとしたり、華美なはがきは避けておとなしい色柄にするなど、相手の気持ちに寄り添う気遣いが欲しいところです。
また、自分が喪中の場合には暑中見舞いは出さなくても構いませんが、いただいたお見舞いには返事を差し上げるようにしましょうね。

まとめ

①暑中見舞いは暦の上では「夏」の、最も暑さの厳しい時に出そう!
②暑中見舞いは立秋(8月7日頃)の前日までには相手に届くようにしよう!
③挨拶と共に「相手を見舞う心遣い」を添えて届けよう。

暑中見舞いは相手の健康を気遣うだけでなく、こちらの近況を伝えるよい機会にもなります。
郵便受けに届く1枚のはがきで、暑さを忘れるようなさわやかな気分になってもらえるといいですね。

令和元年の夏、新たな気持ちでご挨拶に送ってみるのはいかがでしょうか?